「天然の無常」

「天然の無常」という言葉が急に浮かび上がってきました。
どこの引き出しに入っていたものか? 
記憶をたどってみますと“寺田寅彦”の所に格納されていました。

本はかなり昔に処分してしまったらしく、見当たりませんでした。夫に話したら、通販で注文してくれました。

◆ 物理学者だった寺田寅彦の「災害は忘れた頃にやってくる」
という言葉はつとに知られているが、この「忘れた」という言葉が使われた背景には、日本人の無常観への意識もあったのかもしれない。
寺田は「地震や風水の災禍の頻繁でしかも全く予測し難い国土に住むものにとっては天然の無常は遠い祖先からの遺伝的記憶となって五臓六腑に染み渡っている」とも述べている。  (日本人の災害観 漆原次郎 HPより抜粋)

この休み中に、読めたらいいなと思います。

味覚

味覚といわれるものには5つ。
甘味、酸味、塩味、苦味,うま味。
辛いは味覚ではなく、痛覚・・・つまり痛いという刺激を辛味としてとらえています。

この五味はヒトの味覚のスタンダードですが、近年は五味がわからないという人が増えつつあります。

50人で実験をしてみたところ、うま味がわからないというのが約6割強。
ついで苦味が約4割。
五味全部わかった人は7人程度でこのうち4人が40代以上、30代1人、20代1人、10代1人でした。
逆に全く分からなかったのは6人、ついで1問正解、2問正解がかなりの数だったように記憶しています。(甘味正解が一番多い)

この正解数が少なかった人たちは10~20代が多かったのですが、それとなく話を聞いてみると両親が共稼ぎで、夕食はほぼ毎食スーパー、コンビニなどで惣菜、弁当を購入して食べているという事例がほとんどでした。
実験数があまり多くないので確実とはいえませんが、大量調理されたものをずっと食べ続けているという現実が見えてくる気がします。

大量調理は学校給食、スーパー、コンビニなどの惣菜、弁当などをいいます。
これは計算、計量、調理方法などきちんとしたレシピのもと、誰が作ってもほぼ同じような栄養価、味に仕上がります。
もちろん野菜などは季節によって栄養価や栄養素の含有量が違ってきますが、それらもきちんと管理されます。年齢や性別、作業量なども加味されます。
ある意味凄い事です。

しかし毎回、毎食同じ味ということはどうなんでしょうか?
家庭料理、手作りが素晴らしいから絶対にそうした方が良いなんては決して思いません。
しかし手作りは、毎回微妙に味付け、火加減などが変わります。
これが飽きない理由の一つだと考えます。
そして味覚は脳に直結します。
以前、3才くらいだった孫たちにシャインマスカットを初めて食べさせたとき、顔がぱぁぁっと輝いたときの事が忘れられません。
その後もいろいろな味に出会ったとき、いろいろな反応をする彼女たちを見ては感動します。

画一的な社会で、画一的なものを食う・・・人の幸せはそれぞれですが、たまには贅沢でなくても何か作って食べてみませんか?
料理は失敗していいんです。次にその失敗をしないよう、なにがいけなかったのか考えて、改めれば大丈夫です。やっているうちに慣れてきます。